CMS理論-112

カラマネのまとめ ~ その1 〜
・カラーマネージメントの意義

 これまで、取り上げてきましたカラーマネージメントは、画像を創っていく上でとても重要なアイテムです。(下図のように、関わっている学術分野も多岐にわたっています)
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現在における映像技術は、アナログからデジタルへとシフトし、誰でもがデジタル画像を創り、パソコンでみて、所望の色に仕上げるためにレタッチ編集作業を行いながら、クライアント(次工程も含む)の要求に対応してきました。
 カラーマネージメントの基本は忠実な色再現にありますが、このことは「2つ以上の異なる色空間において、測色的、視覚的に色の一致を実現する」ことが最も重要なことになっています。カラーマネージメントをよりきめ細かく運用していくためには、「測色的」な面においては、適用できるツールやデバイス、アプリケーションソフトなどといったハード/ソフト面が充実していましたが、残念ながら「視覚的」な面においては、殆ど検討されて来ませんでした。周知のことと思いますが、色というものはいくら測定器などをつかって精度よく計っても、実際に別の人が見た場合必ずしも同じであるとは言えないことにあります。それは、最終的に色として識別するためには、人間の眼で色を検知して、その色情報を脳に伝え、そこで初めて色を知覚することができる仕組みになっているからです。
しかし、人間は、同じ色(物体)を見ても、照明条件や眼の構造、性別、年齢、人種、健康状態、その日の気分などによって色を弁別する能力が異なり、色が違っているのです。
これを主観色と言いますが、カラーマネージメントにおいては、とても重要なファクタとなります。このことを考慮しなければ、色の一致生を追求してもなかなかマッチングがとれないことになります。
 大事なことは、色再現を忠実に行うために、撮影からプリント出力を得るまでに関わる人達に共通した指標の下に画像データを送ることと、ファインデータを創り画像処理のプロセスで不要な作業を行わないことにあります。