CMS理論-093

j.フィルタ機能
7-0-93-1 フィルタ機能は、画像編集ソフトで色相、彩度、明度を調整するフィルタである。
 図に示すように、Photoshopに組み込まれているフィルタで画像補正するときの機能は、「カスタム」で行なうことができる。
これまで説明したように、「カスタム」内9つの引数を色々と変化させることによって、あらゆるフィルタ機能を活用することができる。
 フィルタ(フィルタ、filter)とは、与えられた物の特定成分を取り除く(あるいは弱める)作用をする機能をもつものである。ある成分以外の全成分を弱めることにより、その成分だけを強調する効果を得る場合もある。さらに、各成分に対し何らかの処理を施す場合もある。
・フィルタの例
−光学フィルタ

透過する光を波長や偏光で制限するもの。他に、光源の周りに光条を発生させたり、明るい部分が暗い部分ににじみ出すような効果を生じさせるものもフィルタの一種とされる場合もある。
−電気フィルタ(濾波器)
加えられた電気信号の特定の周波数領域のみを強めたり弱めたりする電子回路のこと。詳しくはフィルタ回路を参照。ローパスフィルタ(高い周波数を弱め、低い周波数を通過させる)、ハイパスフィルタ(高い周波数を通過させる)、バンドパスフィルタ(特定の周波数範囲を通過させる)などがある。
−デジタルフィルタ
光学フィルタ、電気フィルタと同等の効果を、デジタル演算(デジタル信号処理)で実現したフィルタ。パーソナルコンピュータの音声再生ソフトのトーンコントロールやグラフィックイコライザー機能、フォトレタッチソフトの画像処理(ぼかし等)機能もこれに相当する。
−フィルタ(数学)
ある集合Xの部分集合の族Fが、空でなく、有限交叉性を持ち、A∈FでA⊂BならばB∈Fであるとき、Fをフィルタと言う。
コンピュータ・ソフトウェアにおいて、入力に対し何らかの選択・変換動作を行い結果を出力する機能を持つものをフィルタと呼ぶことがある。例えばテキストファイルを入力して、大文字を小文字に変換するプログラムはフィルタの一種である。
フィルタリングソフトは、インターネット上において、有害なサイトを遮断するソフト。
 
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 上図は、Photoshop に具備されたフィルタ機能をまとめたものである。
 図の上部に示した4つの機能は、いずれも「フィルタ」の機能の中にある内容で、その機能を操作(マウスでクリック)するだけで、自動的に該当する機能の処理が行なわれる。図の下部にある「コンボリューション」の枠内の機能は、「フィルタ」→「その他」→「カスタム」を開くとカスタムフィルタダイアログが表示され、その中に9個の数字を入れることによってそれぞれのフィルタ機能が作動する。それぞれの数字にはプラス(+)かマイナス(−)の符号を持ち、それらの符号によって、処理結果が違ったものになってしまう。 これらの処理は、数学的な手法で処理されるが、特に、微分(エッジ強調、輪郭抽出など)や積分(ぼかしや平滑化など)が多用されており、また、電気的にもローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタなどの回路網などが応用されており、 いろいろな画像処理の機能を使用できるようになっている。