CMS理論-089

e.色変換
・マトリクスによる変換例

 −彩度を強調させた場合(上の変換サンプル)
 −彩度を低下させた場合(下の変換サンプル)
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 原画像のRGBから新しいR’G’B’へマトリクスを変更して色変換をする例である。この例に示すように、「彩度を強調」する場合と「彩度を低下」させる場合の値の取り方に違いがあることに着目する。
・特定色の強調例
 原画像のRGBから新しいR’G’B’へマトリクスを変更して色変換して特定色を強調する例である。この例に示すように「赤色強調」の場合と「ピンク色強調」の場合では、値の取り方に違いがることに着目する。
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f.空間周波数変換
・コンボリューションの原理(重み付け平均、畳み込み積分など)
 −シャープニングと平滑化

 
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 上図は、原画像にシャープネスを施す場合と平滑化する場合の違いを表したものである。
それぞれ、フィルタマスクの掛け方を数字で示してあるので、その効果と意味を理解しできるであろう。結果として、シャープネスはエッジ強調、平滑化はぼかしの効果がある。
・エッジ強調(微分的)→シャープネス
・ぼかし(積分的)→平滑化
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・シャープネス
 デジタルカメラでは、R・G・B・Gの4ピクセルから画像を生成する関係から、どうしてもシャープさにかけた画像になってしまう。そのためにアンシャープマスク処理は必須である。しかし、最近のデジタルカメラに搭載されているシャープネスは、このアンシャープマスクと同等のものもでてきたようなので、必ずしも Photoshop でかける必要はないかも知れない。
 アンシャープマスク処理にはもうひとつの意味がある。それは「輪郭強調」である。もともと原理的には輪郭強調なのであるが、効果としてはいろいろな使い方が考えられる。例えばきめ細かくかけることにより、画像全体を引き締める目的や、コントラストの強い部分にかける本当の意味の輪郭強調と言った目的がある。
 特にこの輪郭強調が有ると無いでは印刷時においてかなり印象が違ってくる。われわれは普段銀塩写真になれているが、フィルムはもともと現像時にエッジ効果と呼ばれる輪郭強調処理が物理的に発生している。しかしながらデジタルではないために、なんか不自然さが画像に見えてしまうのである。
 アンシャープマスク処理は2回行うとよい。1回目は通常のアンシャープマスク処理を施し、2回目に輪郭強調用のアンシャープマスク処理を施す。順番は関係ないが、できればL*a*b*カラーに変換し、「L」チャンネルにかけるとより精度を上げることができる。

・平滑化
平滑化フィルタは次のように9個の成分が全部1/9になっている。
1/91/91/9
1/91/91/9
1/91/91/9
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 この平滑化フィルタは9個の成分値の合計を計算して最後に9で割るのと同じである。つまり9個の平均を計算している。でこぼこがなくなり、変化がなめらかになる。