b399ab8e.jpg■ 均等色空間
 理想的には、MacAdamの楕円がどこでも同じ大きさの円となることにあります。つまり、人間の色感覚にあった色度図が均等色度図となります。また人間の明るさ感覚の特性と対応するちょうどY=X^1/3(1/3乗)のような関数を明度関数(自然現象はこの原則に従う)といいます。
 そしてこの均等色度図と明度関数を組み合わせて三次元空間にしたものが均等色空間です。色味も明るさも均等な(理想的な)空間であることをいいます。
明度関数による多様な明るさで均等色度図を重ね合わせると均等色空間ができます。
 最初に、CIEは1964年に均等色空間「CIE1964 U*V*W*色空間」を制定しました。
これで均等色空間と色差に関する問題は解決しましたが「見た目との対応がよくない」ということが判りました。色々検討した結果、1976年にCIEはやむなく2つの均等色空間とそれに基づく色差式を勧告したのです。その1つはCIE1964 U*V*W*色空間を修正したCIE 1976 (L*u*v*) 色空間、略してCIE LUV。もう1つは以前から繊維業界でよく使われていて、CIEで標準化して欲しいという要望があったためAdams-Nickersonの色差式を基に作ったCIE 1976 (L*a*b*) 色空間、略してCIE LABを制定したのです。現在でも、CIEではこの2つ均等色空間を制定していますが、これは理想的な色空間は、1つに統一できないことを物語っています。現実では、使用目的によって使い分けています。