アンディマンのカルチャークリエート(奏造成)

このブログは、新しい世代の若者を主な対象として掲載します。 特に理科系に強くなれることを目標に、できるだけわかりやすく説明します。 掲載する内容は、画像表現、宇宙論、デザイン、脳科学、工学全般などについてです。 読者の皆さんとの双方向のコミュニケーションをとりたいと考えておりますので、どんどん参加して、忌憚のないご意見を頂けると幸甚です。

July 2019

脳科学の応用 No.2

b.色の視認性と誘目性
 
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 視認性は、視対象がはっきり見えるか否かという特性で、視覚的な「物・字」などをを明確に認識することができるかを表現するものであるから、大きさや色、コントラスト、その他光の条件等によって影響される。
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 一方、誘目性は、色が人の注意を引きつける度合いをいう。この「誘目性」の度合いは赤・橙・黄などの暖色系は高く、緑・青・紫などの寒色系は低いといわれている。

c.映像の動的視点(視線の方向性)
  
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人が何かを考える(思い出す)ときの視線の方向について考えてみたことがるだろうか。真っ正面を見ながら考えている人はあまりいないように思われる。
実は、人は考えている内容によって、特定の方向に目が動くということが明らかになってきている。そのため、このことを応用すると、相手が嘘をついている、なんてことを見破ることもできるかもしれない。
・想起イメージ
過去の体験を思い出すとき
例「一昨日着ていたネクタイの柄を思い出す」「昨日やった授業を思い出す」
本人から見て左上、観察者から見て右上に視線が向きます。
・構成イメージ
見慣れないものを自分なりに新しく構成するとき
例「六本足の怪獣が走っている情景を想像する」「理想的な新生活を思い描く」
本人から見て右上、観察者から見て左上に視線が固定されます。
・聴覚イメージ
 聴覚に関わるイメージをもったとき
例「小学校の校歌のメロディを思い出す」「CMに使われている曲が何だったかを思い出す」
本人から見て左下、観察者から見て右下に視線が移動します。
・触運動感覚イメージ
 感覚に関わるイメージをもったとき
例「マラソン大会の時の苦しかった場面を思い出す」「小さい頃飼っていたネコの肌触りを思い出す」
本人から見て右下、観察者から見て左下に視線が固定されます。
 ただし、これらの方向性は右利きの人と左利きの人や思い出している内容によって変わる場合もあるので、あくまでも目安であることをお断りしておきます。
 視線の方向性は思考時だけでなく、情景や構図などの環境条件によっても方向付けがなされる。

脳科学の応用 No.1

a.心理効果
7_22_ICS_デザイン_意匠 心理効果は、人間の状態や行動に関わる広範囲の分野で認知され、活用されている。医療、福祉、スポーツ、教育、交通、建築、広告 等々の分野である。
心理効果は、自発的な言語あるいは他者から提示される言語表現によって引き起こされる以外にも、聴覚全般(音響)や、視覚全般(色彩など)、嗅覚(香り)によっても引き起こされることがあり、心理学、心身医学、人間工学などで研究されている。
色彩が引き起こす心理効果についての研究は「色彩心理」「色彩心理学」などと呼ばれており、工業製品の色の選定、企業のロゴの色彩選定、ウェブサイトの「色彩設計」などにも活用されている。
 色彩の持つ効果は、人間のいろいろな感情に支配されており、時間や季節或いはその時々の健康状態などによっても様々に変化する。従って、その使い方ひとつでいろいろな効果を生み出すことができるのである。例えば、写真撮影やデザインなどを行う場合、これら色彩の心理的な効果を狙って意識して使用すれば、本来のカラーマネジメンントに重畳させてさらに付加価値の高いものを作ることができる。これらの心理的効果については以下に説明する。

a1.暖色系・寒色系
7_23_ICS_デザイン_意匠暖色系は、赤・橙・黄系統にある色で表現され、燃えるような太陽などを想像させることによって、暖かく感じさせる色である。
中性色系とは暖色系と寒色系の中間に位置づけられ、緑や紫系統の暖かさや寒さを感じさせない色をいう。
寒色系は、青から青緑の系統にある色で表現され、氷や冬の寒空などを想像させていかにも寒々とした感じ方をさせる色である。
また、暖色や寒色は、「時間的要因によって変化する作用」があり、暖色には時間の
経過を早める、寒色には時間の経過を遅くする効果を持っている。このことは、日常生活の中でも経験することであり、配色のし方によって時間を長く感じさせたり、短く感じさせたりする。では、暖色と寒色では心理的な温度差がどのくらいあるかというと、「約3度」あるという実験結果が出ている。例えば食事をする部屋が寒色系である場合、非常に寒く感じるため、冬場では少しくらい暖房を効かせてもあまり効果はない。そのため、レストランなどでは暖色系を使用する例が多いようである。

a2.重い色・軽い色
7_24_ICS_デザイン_意匠軽い色は、「重い色」とは反対に、高明度の色(明るい色)で、見た目より軽く感じられる。
一般的には黒が一番重く、白が一番軽く感じられる。
重い色は低明度の色(暗い色)であることが特徴で、実際に見たよりも重く感じられる。
 これを応用すれば、例えば段ボール箱の色を白にすることで見た目より軽く感じさせることができる。ある実験によると、箱の色が白と黒では、80%以上の重さの違いがあったということである。

a3.興奮色・鎮静色
7_25_ICS_デザイン_意匠興奮色は強烈な刺激を与える色である。特にスポーツには欠かせない色で、 闘牛士が使う赤い布は典型的な例である。暖色系で高彩度の色が当てはまる。
鎮静色は心や気分が落ちつく色である。寒色系や緑系統の色で低明度・低彩度の 色が当てはまることから、自然にある色が鎮静色に当てはまることが理解できよう。

a4.派手な色・地味な色
7_26_ICS_デザイン_意匠派手な色は高彩度・高明度で多色使いの時に効果がある。  2色で配色する場合、色相差(明度差)の大きいものほど派手に見える。
味な色は低明度・低彩度であることが多い。 図示したサンプル色がそのように地味な印象を与えている。派手な色と比べて顕著な差がある。

a5.進出色・後退色
7_27_ICS_デザイン_意匠色は人の奥行き感や距離の判断に影響を与える。暖色系の色は実際よりも飛び出して見える進出色、寒色系の色は引っ込んで見える後退色である傾向がある。
進出色は一般に無彩色よりも有彩色の方が進出して見える。さらに、背景の色との関連もあり、背景が明るい場合は暗いほど、背景が暗ければ明るいほど、進出して見える。
後退色は寒色系で低明度・低彩度の色を用いたときに後退して見える色である。
例えば、交通事故を起こしやすい色は後退色になるため、実際の距離感覚が遠くに見えてしまうことがあり、こういった意味からも安全を重視した配色を行う必要がある。

a6.膨張色・収縮色
7_27b_ICS_デザイン_意匠膨張色は明度差が大きい場合の色で、膨張して見える。
収縮色は明度差が小さい場合の色で、収縮して見える。

a7.対比現象と同時対比
7_28_ICS_デザイン_意匠・対比現象

 対比現象とは、ある色が別の色に囲まれている時に顕著に起こり、囲まれている色の性質が周りの色とは逆の方向に変移する現象である。
・同時対比
2色以上の色を同時に見たときに起こる対比現象をいう。
対比の原因が主として色相による対比のことをいう。
・色相対比
色相対比の1種で隣り合う2色が影響し合って彩度を高くする対比をいう。左の図で、地色が 赤で中が緑の場合、補色関係の2色なので中の緑はより鮮やかな緑に見える。また、地 色が灰色で中が緑の場合、この緑は少し濁って見える。
・明度対比
 対比の原因が主として明度による対比のことをいう。左の図では中の灰色が同じ灰色でも地色が 黒の時は明るく感じ、地色が白の時は暗く感じる。つまり、周りが明るいと暗く見え、周りが暗いと明るく見える。
・彩度対比
対比の原因が主として彩度による対比のことをいう。左の図では中の赤色が同じ中彩度の赤でも 地色が高彩度の赤ならば色あせて見え(彩度が低下して見え)、地色が低彩度の灰色ならば冴えて見える(彩度が高く見える)。つまり、周りが鮮やかな色だとくすんで見え、くすんだ色だと鮮やかに見える。
・補色対比
7_29_ICS_デザイン_意匠左の図では中が同じ灰色でも周りが青緑だと赤っぽく見え、周りが赤だと青緑っぽく見える。つまり、背景の色に対して補色の色がにじみとなって見える。

・辺縁対比
7_30_ICS_デザイン_意匠明度対比を応用した現象である。左の図で、明るい色と接している部分は暗く見え、逆に暗い部分に接している部分は 明るく見える。(辺縁効果とも言う)
・継続対比(継時比)
7_31_ICS_デザイン_意匠左の大きな円をしばらく見つめ、その後、右の黒の点に目を移すと赤味がかった色がうっすらと見えてくるはずである。この現象を継続対比(継時対比、継続比)という。つまり、ある色をしばらく見つめた後で元の色の心理補色が影響を及ぼすため、違った色(補色)が見える現象である。
・面積対比(面積効果)
7_32_ICS_デザイン_意匠同じ色でも面積が大きいほど明度が高くなって見えることがある。これが面積対比(面積効果)である。 例えば、部屋のリフォームを考えるために 壁紙をかえることがあるであろう。その時にインテリアの店で小さいカラーサンプルを見て色を決めても、実際に壁紙にするとサンプルと違って見えたりすることがある。これが面積効果の実際の例であり、大きな面積を必要とするものを選ぶ時、小さな面積のサンプルで見定める時は十分に注意して選ぶようにした方がよい。

画像を創造する技術 No.7

g.カラーデザイン
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プロダクトデザイン(product design)は、製品のデザインのことである。しばしばインダストリアルデザイン(工業デザイン)と混同されるが、プロダクト(product)という言葉自体が工業生産物や製品のみならず、広義においては製作物(ある計画によって生み出された成果)全体を意味する概念語のため、本質としては包括的な言葉である。
グラフィックデザインに対し、単に「物のデザイン」という意味で用いられる場合がある。ただし、日本語における「物」という言葉は多義的で、目に見える具体的な物体ということだけではなく、意識や思考の対象となりうる「こと(事)」をも含んでいる。近年においては、「もの」だけでなく「こと」のデザインが重要であるという内省的な意識が生まれ、プロダクトデザインとは、すなわち「モノゴトのデザイン」であるとも言える。
プロダクトデザインを行うデザイナーをプロダクトデザイナーと呼ぶ。
インダストリアルデザイン(industrial design)とは、「工業製品のデザイン」としての応用美術(applied art)である。「工業デザイン」または「工業意匠」とも呼ばれる。
産業・工業において美しさやユーザビリティの追求をし、その結果として製品の商品性を高めることが目的であり、美それ自体が目的である美術・芸術品(fine art)とは区別される。 日常生活物をデザインすることを強調した場合には「プロダクトデザイン」、機械製品のデザイン領域に限る場合には「メカニカルデザイン」ともいわれる。
日本ではインダストリアルデザイナーの多くは印刷物や平面のデザインをせず、室内や内装のデザインをしない。
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デザインは日本語では「設計」にもあたり、「形態」や「意匠」と訳されてきたが、それだけに限らず、人間の行為(その多くは目的を持つ)をより良いかたちで適えるための「計画」も意味する。人間が作り出すものは特定の目的を持ち、それに適うようデザイナー(設計者)の手によって計画されるのである。デザインの対象は、衣服、印刷物、工業製品、建築などにとどまらず、都市や人生計画にもおよぶ。物や環境を人が自然な動きや状態で使えるように設計する工学、あるいは、人の物理的な形状や動作、生理的な反応や変化、心理的な感情の変化などを研究して、実際のデザインに活かす学問という意味において、人間工学と共通している。考慮すべき要因には、機能性、実現性、経済性、社会情勢など、目的を実現することに関わる全てが含まれる。なお、特定の事業は誰が計画そしてデザインしたのかという質問などに対して、事業は複数の事業主体と計画者、設計者が委員会等などチームとして実施されているなどで、通常、明確な答えが返ってくることは期待できない。このことは、デザイン等の悪い事例行為について、その責任の所在をわかりにくくしているとの指摘もあり、優れたデザイン行為が個人の業務実績として評価できないことがある。

画像を創造する技術 No.6

f.調和(Harmony)
 調和とは、うまく整い、全体のバランスがとれていることである。ハーモニー(harmony)と同意語で、ギリシャ神話のハルモニア(Harmonia, ギリシャ語: ‛αρμονία)に由来する言葉である。オリジナルはギリシャ語で「一致、連結」を意味する。
実生活におけるファッションの色は、個人の似合う、似合わないという条件の方がより切実な関心ごとであって、流行は二の次と考えている人が案外多いのである。そこで、必要となるのが身体色(肌色、顔色、毛髪色、虹彩色など)と衣服との関係であり、少なくとも自分の肌色のマンセル値を把握しておくような拘りを持って欲しいとつくづく感じる。
ちなみに、日本人の20代女性の肌色の平均的なマンセル値は、5.5YR6.6/3.7になるそうである。肌色を美しく見せるファッションの配列調和も、図と地の関係にあるといえる。
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この5つの色系統を代表色とるマトリクス(配列)を重ね合わせると色とイメージの相関が一目瞭然にわかるようになる。
さまざまなイメージの要素となる言語は、「明るい、柔らかい」−「白」−「暗い、硬い」という垂直軸と、「活動的、暖かい」―「鎮静的、冷たい」という水平軸を基準としながらも、それぞれの色彩に対応させる重曹配置をすることができる。
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このカラーイメージマトリクス(色彩感情配列)は、デザインやカラーコーディネートの分野に色彩選定をする場合の手がかりとして十分に活用できるものと考えている。
また、カラーマトリクスはRGBの3つの値で表された色を別のRGBの値に変換する3×3行列のことでもある。RGBの値を3次元のベクトルとして表せば、この行列による作用は、
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と行列とベクトルの積として表すことができる。この式を使えばフルカラー約1,677万色の色を全て創り出すことができる。

画像を創造する技術 No.5

e.カラーコレクション
・スキャナや画像処理ソフトなどで刷版インクの色に合わせて色を調整すること
・デジタルインターミディエイト:映画の編集においてデジタル化された色彩調整や他の画像の特徴を変化させ、映画館で上映されるまでに調整されるプロセス
カラーコレクション(color correction)は、スキャナや画像処理ソフトなどで刷版インクの色に合わせて色を調整することである。スキャナで取り込んだ画像をRGBからCMYKモードに変換するときには、CMYKの理想的なインクで印刷することを前提としている。しかし、実際のインクは、シアンはマゼンタ気味に、マゼンタはイエロー気味に、イエローはマゼンタ気味になってしまっているため、実際のインクにあわせて画像の色を調整する必要が生じる。この画像処理機能をカラーコレクションという。
ただし、DIの世界では、カラーグレーディングということが多い。
−基本概念
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 ワークフロー全体がCineon/DPXファイルに基づいている。カラーコレクション(色補正)アプリケーションから入出力する。観察用に限定して、ディスプレイのLUTが適用され、プリントフィルムの非直線的特性(ノンリニア特性)を擬似的に表示している。
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 「エンコードされたビデオ」は、必ずしも、イメージがビデオ機器の上に蓄えられることを意味していない。重要なポイントは、映像がディスプレイの LUTなしに直接ディスプレイ上で表示されることである。画像データはフィルムの色域の代わりにディスプレイの色域を表していることになる。
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 上図で左側の画像は、ビデオシステムで使われているホワイトポイント6500Kを表している。現在制作者が使用しているモニタがその色温度に適合していると仮定したものである。次の画像(中央)はSMPTE196Mに従ったフィルムプロジェクタのホワイトポイント5400 Kである。スクリーニングする場所の条件に適応させ観測者によって確認するためのものであるが、右側の画像はその白(ホワイトポイント)を表している。
 前述したように、ホワイトポイントは光源の色温度できまるので、どの光源を設定すればよいかは使用環境によって決める必要がある。また、例えば、シネコンなどで映画上映する際には、クリーンの色も決めておく必要になる。
つまり、色の基準となる白は、使用される光源とスクリーンの色(白さの基準)によって決るものであるから、これらの採用に当たっては、その環境に合致した設定あるいは目的に合わせた設定しなければならないことは言うまでもない。
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