アンディマンのカルチャークリエート(奏造成)

このブログは、新しい世代の若者を主な対象として掲載します。 特に理科系に強くなれることを目標に、できるだけわかりやすく説明します。 掲載する内容は、画像表現、宇宙論、デザイン、脳科学、工学全般などについてです。 読者の皆さんとの双方向のコミュニケーションをとりたいと考えておりますので、どんどん参加して、忌憚のないご意見を頂けると幸甚です。

October 2012

カラマネの基礎知識 No.3281

CMS理論-107

7.4 最近話題のデジタル画像処理
a.インターネット上の画像取り扱い

・圧縮ファイルは、一般的に使用されているものにPNG(GIFの代替)とJPEGなどがある。
・画像フォーマッットであるFlashPix*1におけるピラミッド形態の画像構造を下図に示す。
7-0-107-1

 この画像構造は、用途別に圧縮率(概略値)を示したもので、どのレベルで圧縮したらよいかを考慮して設定すべきである。圧縮の目安を下記する。
 プリント画像  :1~1/4
 高精細表示用画像:1/4~1/16
 低精細表示用画像:1/16~1/64
 インデックス  :1/64~256
サムネイル   :1/256以下
 特に、使用する用紙や雑誌などの印刷形態に合わせて対応することを推奨する。
*1:FlashPixは、画像フォーマットのひとつである。Microsoft社、Kodak社、Hewlett-Packard社、Live Picture社が共同で開発した。複数の解像度のデータを1つのファイル内に階層的に保持しており、出力デバイスに応じた適切な表示が可能である。たとえば、インターネットのWebブラウザで表示するときには低解像度画像、プリンタに出力するときには高解像度画像というように使い分けることができる。

b.カラーマネジメントシステム
7-0-107-2・デフォルト色空間とICC
 数式を使った色を表す方法に、CIE(国際照明委員会)がL*a*b*という3次元表色系を開発した。簡単に言えば、L*は明るさ、a*b*(これをクロティクネス指数という)は双方とも色相と彩度を表している。このCIE L*a*b*は、デフォルトの色空間となっている。
 デジタル上では色を変換する作業は「RGB→L*a*b*→CMYK」になり、この変換ソフトと設定に何を使うかによって結果が異なってくる。ここで登場するのがICCプロファイルである。ICCという言葉に馴染んでいないという人もいるのではないかと思う。辞書的な記述では、「International Color Consortium(ICC)が定義した書式のプロファイルのことを指す、といえる。「RGB→L*a*b*→CMYK」の色変換する仕組みを国際間で取り決めた規約(色変換するための道具になるもの)で、モニタやプリンタなど各機器が表現できるカラースペースを示したデータである。
 「Gamut(ガモット)」という言葉も最近よく耳にするが、これはモニタ、プリンタまたは印刷インクなどある特定の機器が表現できる色領域をいう。カラースペース(Yxy色度図)上に各機器のGamutを重ね合わせると、どの色が表現できないか一目で分かって便利である。(下図参照)
色空間の表示には、次のようなものがある。
−AdobeRGB
−sRGB
−Japan Standard v2
−Japan Web Coated (Ad)
−Japan Color 2001 Coated 等々
7-0-107-3

カラマネの基礎知識 No.3271

CMS理論-106

s.鮮鋭性変換(続き2)
・ノイズ低減フィルタの作用

7-0-106-1

 代表的なメディア(出力デバイス)のノイズ測定結果を上図に示す。
 図で、レーザープリンタの特性が最も良く(参考のCRTとほぼ同じ)、インクジェットプリンタの特性は極端に悪い。このノイズ量は、かなり画質を左右するので、ノイズ低減フィルタなど改善策が必要である。
・非線形フィルタ
7-0-106-2 −ノイズ性を改善するためには、鮮鋭性強調フィルタを利用するとよい。
 左図−左側は、線形フィルタの特性であるが、左図−右側に示すように、それらは非線形フィルタの特性である。これらのフィルタを使うと、分散や差の少ない方向で平均する場合に有効である。
7-0-106-3

  一般的に画像は、雑音を含む入力を持つ逆フィルタによって本質的に雑音を発生する特性があるため、取り出した画像信号のSN比が高くなかった。このような場合、雑音の性質に対応してフィルタの伝達特性を修正してフィルタ特性を向上させる適応フィルタ(Adaptive filter)があり、その一種に、雑音を含んだ信号と真の信号の二乗誤差を最小にする方法で特性を向上させる、ウィナーフィルタがある。ウィナーフィルタを適用してノイズの多い画像を再構成することを試みると、単純な逆フィルタに比較してSN比が飛躍的に向上することが判っている。また、ウィナーフィルタに修正係数を導入することにより、ウィナーフィルタによって再構成したノイズ部分に現れるぼけを軽減すると同時に、指示の大きさと画像あらさの関係を向上させる可能があることも判ってきている。
・中央値の計算とその位置
7-0-106-4 −自身を含めた近傍画素を並べた中央値
 右図は、ノイズ低減フィルタを使って計算する方法を示している。
 9つの画素情報値の中で中央値(この場合5番目)に着目して重み付き平均を取ることでノイズ低減フィルタの効果を引き出している。

カラマネの基礎知識 No.3261

CMS理論-105

s.鮮鋭性変換(続き1)
7-0-105-1・非線形な手法

 右図のノイズ成分をなくすために、非線形な関数を与えることでノイズ部分を不感帯にすることができる。(非線形関数f)
このときのエッジ抽出のパラメータを(1)に示す。
更にこのとき、重み付け平均は(3)の通り、
Dnew= Dold+f(E)
で表される。

・重み付け平均
 「コンボリュージョン=畳み込み演算」とは関数を使った数学の計算方法のひとつである。つまり、IRという測定データを利用して色を再現するための計算のことを指す。  IR(Intermediate representation)とは、プログラムへの入力データから構築されるデータ構造であり、そこからさらにそのプログラムの出力データが構築されるものをいう。
コンボリューション演算を行う場合は、フィルタマスクを使う。フィルタマスクは図示したA~I(中央部)の9個のデータを抽出したものである。 
分子のaA+bB+cC+dD+eE+fF+gG+hH+iIは、a〜iの重み付け係数で、それらを順次掛け合わせたものである。これを、分母のa+b+c+d+e+f+g+h+I で割ることで、計算できる。
7-0-105-2


−コンボリューション行列について
7-0-105-3図:フィルタ/汎用/コンボリューション行列
 コンボリューション行列では画像のそれぞれのピクセルに対して行列演算を施し、自分でオリジナルのフィルタを作り処理をさせることが出来る。





ノイズの評価の目的
・ノイズに人間の周波数を掛け合わせる
 −閾値を設ける
・メディア間の差をなくす
 −ノイズ量は画質を決める


カラマネの基礎知識 No.3251

CMS理論-104

s.鮮鋭性変換
 鮮鋭性を変換する方法は、周波数領域で行う方法と、空間領域で変化する方法の2つがある。
・周波数領域での変換
 下図は、実空間(リアル空間ともいう)から周波数空間に高速フーリエ変換を用いて変換し、ゲイン調整する。その後、周波数空間から逆変換して実空間に戻すときの機能ブロック図である。
 これには、これまで述べてきた高速フーリエ変換(FFT)や離散フーリエ変換(DFT)を使って周波数領域での鮮鋭性を変換することができる。この変換過程では、周波数空間に逆変換する前にゲイン調整を行うことによって、より良い変換が可能となる。
7-0-104-1

・実空間(リアル空間)と周波数空間
 画像処理の中で空間周波数ではとか実空間ではなどの言葉がでてくる。この周波数領域での表現と実空間とはどのように違うのかを簡単に説明する。
 実空間とは単なる普通の画像のことである。パソコンの中から見える画像は縦横のピクセル(たとえば128X128)で示された画像である。この画像を単に実空間の画像と呼んでいるだけである。実空間でフィルタをかけるという意味は、普通の画像に3x3や64x64とかのピクセルで表したフィルタを使用して数学的処理をすることなのである。ここでどのような方法であるのかは重畳積分(コンボリューション積分)をおこなえばよいのである。この方法は数式では難しい積分の式を用いているが、数式など考えないで実際の方法を覚えれば簡単に計算できる。
 数十年前は、前処理フィルタは1次元フィルタをかけると言っていた。いまでは2次元フィルタといっている。1次元、2次元フィルタ・・・・2次元フィルタは縦横の正方形のピクセルので、1次元とは横に並んだピクセルの固まりなのである。
 次は周波数空間の話であるが、前の実空間(実際の画像)のカウントの変化(濃度変化)をグラフに描いてそれを離散フーリエ変換すれば、この画像の周波数特性が求められる。この離散フーリエ変換も参考書では難しく書いてあるが、方法さえつかんでしまえば数式など不要である。
 実空間のカウントを調べてそれを離散フーリエ変換すれば、その画像の周波数特性が求まる。この周波数特性を離散逆フーリエ変換と言う手法を用いれば、もとの実空間の画像がもとまる。
 ここまでの説明は、1次元(画像の1ピクセル分の水平方向だけ)についての説明であったが、2次元(縦横)方向(はじめは横方向、次に縦方向の順)に離散フーリエ変換すれば、2次元での周波数特性が求まる。実空間に戻すにも2次元で離散逆フーリエ変換すればよいのである。
画像処理には周波数領域と実空間での2つの方法がある。
画像のざらつきを無くすには、そのときにフィルタをかけることで解決できる。これを解くときは3x3や64x64とかのピクセルで表したフィルタを用いて処理をすると述べたが、これは実際の画像(マトリックスで出来ている画像)との処理ですので実空間で処理をしたことになる。
 周波数空間で処理をするには、実際の画像を離散フーリエ変換し、そのものと、実際のフィルタを離散フーリエ変換したものとを掛け合わせて(実際の画像の周波数×フィルタの周波数)やれば、フィルタ処理した周波数空間で表した画像が出来上がり、それを逆の手法(離散逆フーリエ変換)を用いて、実空間に戻してやれば、フィルタがかかった目に見える画像ができるのである。
 このように、周波数領域と実空間領域とは数学的な手法を用いれば、周波数で示した画像から実際の実空間画像ができ、反対に実空間画像から周波数空間に戻すことができる。

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