CMS理論-019
e.色再現されるとは
均等色空間で合致させる(三刺激値が共通の色空間)ことである。
色再現の仕組みを考えると、図示したように、「目標色」と「再現色」は一致するかもしくは近似することである。従って例えば、光源を太陽光(自然光)と白熱灯(人工光)にし、画像を見たとき、太陽光と白熱灯の比較において差異が生じる。その理由は、色の知覚は人間の眼で見た情報で識別するため、それぞれの光源での分光特性が違ってしまうので、三刺激値XYZの値はその光源が持つ分光特性に基づいた値で表現されるからである。そのために当然のこことして、知覚レベルも変化してしまう結果、見た色が異なってしまうのである。これを一致させるためには、CMSにより補正することによって新しい「再現色」が得られ、近似した(限りなく一致した)色再現が行われる。
誰もがもっと簡単に、もっと確実に色を伝え合うために、色彩の経史の中では、さまざまな人々が独自の方法で複雑な計算式を使いながら、色を定量化して表わすことに着目していいる。つまり、長さや重さと同じように色を数値で表わす方法を考案したのである。
例えば、1905年米国人の画家アルパート.H.マンセルは、「色相」、「明度」、「彩度」でそれぞれ分類した数多くの色紙を作り、これを目で見比べて分類しながら色を表現する方法を考案した。
図は、色再現する場合の変換プロセスの概念を示したものである。
ここで、H:Hue(色相)、Saturation(彩度)、V:Value(明度)を示す。
・正確な色の表示および表現
色再現という概念は、理解度が個人レベルによってかなり異なるテーマとなるが、モノクロの時代からカラーの時代に移行してかなりの時間を費やしてきた。例えば、ハードコピーである印刷物、写真プリント、電子表示媒体が殆ど全部といっていいくらいカラー化され、印刷物がカラーになっているのは当たり前になって来ている。つまり、RGBデータで色を表示できるということは、もはや常識化していると言っても過言ではない。
しかしながら、色を表現することと、正確な色として表現することは別問題であるということが、まだ関係者には理解されていないようである。2000年代当初、印刷ワークフローの中にRGBデータが広まり、特に画質向上が著しいプロ用のデジタルカメラの画像データは、処理・展開される色空間において、常に議論の的になっていた。
デジタルカメラを扱いそのデータを展開するものとして、入力系、処理系、出力系の3つのプロセスに分類できる。正確な色として表現するためには、画像データが同一の基準の上で作成され、運用されることが絶対的に必要となる。
例えば、入力系を考えると色空間の指定や色再現特性の設定は正しく行われなければならない。更に、撮影時にホワイトバランスを合わせることもとても重要なことである。これは、撮影する時に光源の色温度が無視できないからである。つまり、色温度は撮影時と再生時の環境条件が異なることによっては見え方がまるで違うためである。
また、処理系はというと、カウェアメラメーカーやソフトウェア開発メーカーが提供しているRAWデータを現像するソフトウェアの設定や、色空間までも選べるソフトウェアが市場に出回ってきたので、基準となる色空間の設定および色再現特性の設定が必要である。レタッチソフトのワークスペースの設定も重要である。
更に、出力系を考えると、例えばプリンタの場合についていえば、メディアホワイトといいわれる紙の選択がとても重要となる。どのような白を基準とするのか、ドライバソフトの設定をどう決めるかなども大いに関係が出てくる。プリンタが安定して再現性の良い色にするということは、なかなか困難であり、完全な色一致性を期待することはできない。
モニタの場合は、白色点の指定が重要である。一般に色温度が9300Kで出荷されているWindowsのモニタに対して、本来はD65とかD50で見なければならない。また、色空間、色域の指定、さらに機器の調整項目などがあり、キャリブレーションを取っていないモニタで正しく色を見ることは難しい。これらをすべて問題なく設定するには、ある程度の知識や経験が必要となっている。
e.色再現されるとは
均等色空間で合致させる(三刺激値が共通の色空間)ことである。
色再現の仕組みを考えると、図示したように、「目標色」と「再現色」は一致するかもしくは近似することである。従って例えば、光源を太陽光(自然光)と白熱灯(人工光)にし、画像を見たとき、太陽光と白熱灯の比較において差異が生じる。その理由は、色の知覚は人間の眼で見た情報で識別するため、それぞれの光源での分光特性が違ってしまうので、三刺激値XYZの値はその光源が持つ分光特性に基づいた値で表現されるからである。そのために当然のこことして、知覚レベルも変化してしまう結果、見た色が異なってしまうのである。これを一致させるためには、CMSにより補正することによって新しい「再現色」が得られ、近似した(限りなく一致した)色再現が行われる。
誰もがもっと簡単に、もっと確実に色を伝え合うために、色彩の経史の中では、さまざまな人々が独自の方法で複雑な計算式を使いながら、色を定量化して表わすことに着目していいる。つまり、長さや重さと同じように色を数値で表わす方法を考案したのである。
例えば、1905年米国人の画家アルパート.H.マンセルは、「色相」、「明度」、「彩度」でそれぞれ分類した数多くの色紙を作り、これを目で見比べて分類しながら色を表現する方法を考案した。
図は、色再現する場合の変換プロセスの概念を示したものである。
ここで、H:Hue(色相)、Saturation(彩度)、V:Value(明度)を示す。
・正確な色の表示および表現
色再現という概念は、理解度が個人レベルによってかなり異なるテーマとなるが、モノクロの時代からカラーの時代に移行してかなりの時間を費やしてきた。例えば、ハードコピーである印刷物、写真プリント、電子表示媒体が殆ど全部といっていいくらいカラー化され、印刷物がカラーになっているのは当たり前になって来ている。つまり、RGBデータで色を表示できるということは、もはや常識化していると言っても過言ではない。
しかしながら、色を表現することと、正確な色として表現することは別問題であるということが、まだ関係者には理解されていないようである。2000年代当初、印刷ワークフローの中にRGBデータが広まり、特に画質向上が著しいプロ用のデジタルカメラの画像データは、処理・展開される色空間において、常に議論の的になっていた。
デジタルカメラを扱いそのデータを展開するものとして、入力系、処理系、出力系の3つのプロセスに分類できる。正確な色として表現するためには、画像データが同一の基準の上で作成され、運用されることが絶対的に必要となる。
例えば、入力系を考えると色空間の指定や色再現特性の設定は正しく行われなければならない。更に、撮影時にホワイトバランスを合わせることもとても重要なことである。これは、撮影する時に光源の色温度が無視できないからである。つまり、色温度は撮影時と再生時の環境条件が異なることによっては見え方がまるで違うためである。
また、処理系はというと、カウェアメラメーカーやソフトウェア開発メーカーが提供しているRAWデータを現像するソフトウェアの設定や、色空間までも選べるソフトウェアが市場に出回ってきたので、基準となる色空間の設定および色再現特性の設定が必要である。レタッチソフトのワークスペースの設定も重要である。
更に、出力系を考えると、例えばプリンタの場合についていえば、メディアホワイトといいわれる紙の選択がとても重要となる。どのような白を基準とするのか、ドライバソフトの設定をどう決めるかなども大いに関係が出てくる。プリンタが安定して再現性の良い色にするということは、なかなか困難であり、完全な色一致性を期待することはできない。
モニタの場合は、白色点の指定が重要である。一般に色温度が9300Kで出荷されているWindowsのモニタに対して、本来はD65とかD50で見なければならない。また、色空間、色域の指定、さらに機器の調整項目などがあり、キャリブレーションを取っていないモニタで正しく色を見ることは難しい。これらをすべて問題なく設定するには、ある程度の知識や経験が必要となっている。