アンディマンのカルチャークリエート(奏造成)

このブログは、新しい世代の若者を主な対象として掲載します。 特に理科系に強くなれることを目標に、できるだけわかりやすく説明します。 掲載する内容は、画像表現、宇宙論、デザイン、脳科学、工学全般などについてです。 読者の皆さんとの双方向のコミュニケーションをとりたいと考えておりますので、どんどん参加して、忌憚のないご意見を頂けると幸甚です。

March 2010

カラマネの基礎知識 No.1932

e3986222.jpg光と影が織りなす色の世界
No.10
測定幾何学とは何か?


あるサンプルの知覚された色は、サンプルの上の入射光線の角度と、そして、サンプルが観察される角度に依存している。
また、これを考慮に入れることによって、測定機器で計測することによって定義される。そのために測定精度の高い分光光度計を使用しなければならない。ここでは分光光度計を使用する際の測定幾何学について簡単に説明する。
ライティングでは、対比が積分球と照明を(角度:0°または45°)を傾けて照らしながら、ストロボで発生した拡散照明(d)の間で主として行われる。つまり、通常使用される角度は0°または45°である。反射光は観測する特定の角度でいつも測定される。
0 °または45°と異なったアプリケーション用に様々な測定幾何学を展開している。
製紙業では、d/0°の測定幾何学が使われ、織物とプラスチック産業でd/8°を使用し、グラフックアーツ産業では0/45°または45/0°の測定幾何学を使用している。

図の左側は、0/45°、45°/0測定法で、右側は、デフューズ8°/0°測定法(光トラップの有無)である。

濃度計による測色方法
濃度での数値表現は、濃度計によるCMYの濃度差と人間の目で見た濃度差の感覚が色によって異なるため、CMYのバラツキ管理をするために、各色の許容誤差を一律に管理することができず、それぞれの色・濃度毎に対して決めなければならない
色を測定する装置(分光光度計)が高価であった時代に、濃度計を使って、近似的な色測定をしようと試みた方式で、一時はかなり使われ、印刷関係の文献にも出ていたが、最近は、色測定装置が濃度計よりやや高い程度で購入できるようになり、あまり使われることが無くなってきている。

カラマネの基礎知識 No.1922

d64b0279.jpg光と影が織りなす色の世界
No.9
白さとは何か?


白は色の1つである。無彩色であるが、それは色知覚的にも1つの色である。理想的な白は、380-780nmの範囲の中のすべての入射光線が反映される。しかし、この「理想的な白」は純粋に理論上の量である。かつての白標準であった硫酸バリウムは、可視スペクトルの平均98%を反射した。
白さ、すなわち、材料がどれくらい白いかが、多くの通常白い材料の紙か織物などの品質の尺度であり、材料の白さが理想的な白に非常に近ために漂白したり、光を吸収し着色を無くすようにしてきた。しかし、白が「明るい」必要があるならば、蛍光増白剤を混入させると「完全な」白が得られる。これらの蛍光増白剤(例えば、日常生活で見つけられる、粉せっけんや歯磨など)には、UV範囲(<380 nm)、人間の目に見えないが、吸収し、そして、再び人間にとって、目に見える(>380nm)スペクトルの領域の中の追加光を放射を可能にする特性がある。したがって、蛍光増白剤で処理された材料は>100%の反射値を持つことができる。これらの材料は「明るい」白であるように見える。
360413d8.jpg白は、人間の網膜の3種類の錐体L,M,S:Long,Middle,Short(RGB表色系における)やR,G,B;Red,Yellowish Green,Bluish - Purple/Purplish - Blue.)のすべてが「対等的、均質的」に強く刺激された場合に感じる色である。そのため、すべての波長の可視光線を「対等的、均質的」に含んだ光は無彩色的に見える(黒や灰色・鼠色に見える)。更に、強く反射していれば、白に見える。そして、その光を白色光と呼ぶ。これに関連しているが、すべての音の波長の信号が均等に含まれた全くランダムな音の波形のことをホワイトノイズ(白色雑音)と呼ぶ。

カラマネの基礎知識 No.1912

120134c5.jpg光と影が織りなす色の世界
No.8
混色とは何か?


基本的なタイプの混色には加色と減色の2タイプがある。加色混合は1860年にマクスウェルによって発見された。この混色とは、あらゆる色が異なった量の赤、緑、青、(R、G、B/光の三原色)の光を混ぜることによって発生させることができることを意味する。3つの色の光(赤、緑、青)が等しい割合で混ざると白色光が得られる。加色混合は電子画像処理とテレビの技術では赤、緑、青い光を放つ蛍光体をスクリーンのシャドウマスクに埋め込み使用される。したがって、それらのマスクは非常に小さいので加色混合が形成されて、この色が知覚されるために、個々の着色光のドットを見ることができない。
しかしながら、印刷やネガフィルムなどでは、光ではなく顔料と染料が色材として使用される。減色法のシアン、マゼンタ、およびイエロー(C、M、Y/色材の三原色)が等しい量で混ざると黒を得る。これは減法混色と呼ばれている。 これは染料や顔料などの着色剤がいくらかの入射光線を吸収して、反射光からそれを引き算するからである。 色を加えることで、素材はより暗くなる。減法混色は写真での色再現や、印刷、織物、プラスチック、紙、ガラスなどでの色付けを指している。

パソコンやテレビの画面の色を作り出すRGBカラーモデルは、この原理を利用している。光の色には、赤・緑・青(=Red、Green、Blue。つまりRGB)の3つの原色、色光の三原色がある。この3色はほかの色を混ぜて作り出すことはできないが、さまざまな強さで混ぜ合わせると、あらゆる色を表現できる。3色の光は、100%の強さで混ぜ合わせた状態が白、0%にしたときが黒になる。加法混色という名称は、色を表すのに黒に光を加えていくことからきている。加算混合、加色混合、加色法ともいう。

カラマネの基礎知識 No.1902

016cdc14.jpg光と影が織りなす色の世界
No.7
色の許容差は何か?


サンプルのどんな組にも、100%同一色の値は存在しないが、製品を供給するとき、供給者は色の精度において顧客の品質要求事項を満たさなければならない。また、我々は、人間の色の認知が非常に主観的であることを知っている。
したがって、供給者と顧客が受け入れられる最大の色差の許容差を規定するのに測色は、非常に重要である。
色の許容差を、しばしば用いられるCIE xyYシステムかCIE L*a*b*システムを含みすべてのカラーシステムで用いることができる。しかしながら、伝統的なシステムの難点は目視により、これらには等距離の感覚がないということである。これは何を意味するか? CIE L*a*b*システムでは、例えば、ΔE*=1の最大の色差が許容できると確認することができた。 しかし、ΔE*の測定色差=1で様々な組の色のサンプルを評価するとき、ΔE*=1が鮮やかな黄色や緑色のトーンとで許容できる色の違いがあると言うことが判るが、無色の、そして、暗い色で、ΔE*=1は別のもので、容認できない色になることがある。したがって、同じ1の数学の違いは我々の視覚とは違っている。
また、いくつかの新しい許容差式が、全ての色のためにCIE L*a*b*システムで異なる色の許容差を算出するために開発されている。これらの公式はCIE L*a*b*システムの非等距離の感覚を修正している。今日、最も一般的に広められた許容差式は、CMCとCIE-94公式がある。しかし、これらは最近の公式ではDIN99あるいはCIE DE 2000として、しばしば置き換えられて使用されている。
色差には、そのほか、いろいろな計算式が提案されているが、上述した計算の方法が一番わかり易く、計算も楽である。 そして、他の形式で表されるΔEと区別するために、上の計算ではΔE*ab と書き表す。 他には、ΔEAN(アダムス・ニッカーソンの色差)とか、ΔE*uv(L*u*v*表色系による色差)とかがある。
これらのΔEは、いずれも色差を求めようとする2色のXYZ値を測定すれば、換算式等を用いてコンピュータで直ちに計算することができる。
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