アンディマンのカルチャークリエート(奏造成)

このブログは、新しい世代の若者を主な対象として掲載します。 特に理科系に強くなれることを目標に、できるだけわかりやすく説明します。 掲載する内容は、画像表現、宇宙論、デザイン、脳科学、工学全般などについてです。 読者の皆さんとの双方向のコミュニケーションをとりたいと考えておりますので、どんどん参加して、忌憚のないご意見を頂けると幸甚です。

October 2008

カラマネの基礎知識 No.1202

2ab34a18.jpg■ データ処理(データ形式とレタッチ)・・・続き
・RAWデータ
−RAWデータの構造

 Rawは、「生」「未加工」を意味する英単語であり、RAW画像は完成状態にされていない画像データのことです。
かつてはいわゆるベタ画像のことを指すこともありましたが、2000年代に入ってからはデジタルカメラやイメージスキャナ等における「未現像」データのことを指す場合が多くなりました。ではRAWデータとはどんなデータなのか、その構造と仕組みを解説します。
RAWデータの構造を説明する前に、実際に光をデータに変える装置、イメージセンサについて簡単に説明しておく必要があります。
それは、イメージセンサは光の強さを感知できますが、その光が何色かの判別ができない、ということです。基本的に色というのは、光の三原色であるRGBそれぞれのバランスで構成されているが、イメージセンサはRGBのバランスは理解できず、明るさのみが判るです。イメージセンサが明るさしか理解できないとしたら、一体どのようにして色を作るのでしょうか? いくら優秀な頭脳をもってしても、色の情報のないデータから正しい色を再現することは不可能です。 そこで仮に、1つの画素にR(もしくはGかB)の光だけを当てたらどうなるでしょうか?
その画素が感じた光の強さをそのままRの値として用いることができるでしょう。
同様に、別の画素を用いてGやBの光の強さも、それぞれ測ることができれば、RGBがすべて揃い、色を表現できるようになるわけです。
実際のイメージセンサの各画素には、表面にセロファンのようなカラーフィルタが取り付けられていて、画素ごとにRGBを感じ取れるようになっています。
 現在普及しているイメージセンサは、左図のような配列をしているものがほとんどで、このような配列をBayer(ベイヤー)配列と呼んでいます。
見て判るように、画素1つにつき1色しか取れないため、このRGBが並んだBayer配列から、色を正確に再現し、人間の目に見える画像にしなくてはなりません。その処理こそが「現像」処理です。

カラマネの基礎知識 No.1191

034a8842.jpg■ データ処理(データ形式とレタッチ)
・可視化画像データ
 コンピュータで扱われる画像のデータには、大きく分けてビットマップ形式のデータと、ベクトル形式のデータがあります。
ビットマップデータは画像を小さな四角い点(画素=ピクセル)に分け、アドレス管理してデータを保存します。あらゆる画像を様々な色の四角の集積として扱い、ペイントとも言われます。写真などの画像に適しています。
ベクトルデータは関数的な数値で表されるので、拡大縮小しても正確性が保たれる。ドローとも言われる。ロゴマークやイラストに適しています。
ビットマップデータを扱うソフトの代表的なものとしてPhotoshopなど、ベクトルデータを扱うソフトの代表的なものとしてIllustratorなどがあります。
−BMP :Windows標準の画像形式。拡張子(*)はbmp。
−PIT :Macintosh標準の画像形式。拡張子はpct。
−JPEG:インターネットやデジカメ映像などに使われる。拡張子はjpg(jpeg)。
−GIF :主にインターネットで使われる。拡張子はgif。
−PNG :主にインターネットで使われる。拡張子はpng。
−TIFF:Tagged Image File Format 、非圧縮の画像データ。Aldus社とMicrosoft社によって開発された画像データのフォーマット。1枚の画像データを、解像度や色数、符号化方式の異なるいろいろな形式で一つのファイルにまとめて格納できるため、比較的アプリケーションソフトに依存しない画像フォーマットです。

カラマネの基礎知識 No.1181

e4b883a4.jpg■ フィルタ機能(続き)
・フィルタ方式の特性
 カラー画像を取り込むイメージセンサには色を見分けるためのカラーフィルタが付いています。このフィルタはラインCCDセンサではRGBの3色ですが、デジタルカメラやビデオカメラなどのエリアCCDセンサではRGBの原色CCDのほかにCMYGの4色のフィルタをもった補色CCDが使用されることも多いようです。プロ用のデジタルカメラでは、CCDに十分な大きさの感度の高いCCDを使用できるので原色フィルタがよく使われます。
 デジタルカメラやビデオカメラなどのエリアCCDセンサではRGBの原色フィルタのほかにCMYGの4色のフィルタをもった補色フィルタが使用されることが多いです。この補色フィルタは、原色フィルタに比べ透過率が高く感度の高い信号を作れるため、感度の重要視されるビデオカメラやデジタルカメラに多用されます。とくにビデオカメラでは1コマの時間からの制限により、シャッタースピードを1/60秒以上に延ばせないので感度が必要になります。一般的には原色フィルタ式の方が後のカラー処理が簡単なため色が良いとされますが、処理技術の進歩で差は縮まっており、感度の高さの余裕を画質に振り向けることも可能なので画質の優劣を一概に決めることはできません。実際のデジタルカメラではむしろイメージセンサの使いこなしによる画質差の方が重要といえます。以下に、両方の特性を示します。

カラマネの基礎知識 No.1171

02388e4a.jpg■ フィルタ機能
 ・フィルタの画素配置
        
 イメージセンサそのものは、他の撮像管や固体撮像素子と同様、色の識別能力はありません。一般的なCCDの光波長ごとの感度特性(分光特性)はおおむね300nm〜800nmでゆるやかな山型のピーク特性を持ち、可視光範囲をカバーしています。従って、カラー撮影を行うためにはカラーフィルタにより光の三原色に色分解を行う必要があります。三原色分解には加色法(加法混色)による方法と減色法(減法混色)によるものがあり、原理的には後処理の単純な加色法は色再現性に優れ、光通過量が多い減色法は感度に優れるとされますが、素子レベルの性能や色処理技術による差異もあるため、製品レベルでの比較ではその差が顕著ではありません。
本来、上図に示すLCDなどの表示素子のように、各画素に対してRGBそれぞれの受光部を配置することが理想ですが、各画素の受光部毎に微細なマイクロレンズを用いて集光するため、レンズの動作を考慮すると円形に近い画素形状が望ましく、素子の形状を細長くすることは困難です。また、各画素3色とすると素子の規模が約3倍に増えることになり、製造上不利です。このため、一般的には素子毎のカラーフィルタを上図に示すようなベイヤー(Bayer)配列として、総画素数の削減をはかっています。なお、CCD撮像素子1枚によるカラー撮影を単板方式といいます。
 ベイヤー型配列では、CCDの総画素数Nに対して、緑の解像度はN/2、赤および青の解像度はN/4になるため、画素毎に周辺の画素の出力を用いて補間演算を行うことによりN個のRGBの組を作り出しています。補間演算の方式により画質が影響を受けるため、各カメラメーカーは独自に処理方法を考案しています。ここで、緑の画素を2倍設けているのは、人間の眼の分光感度が緑付近をピークとしており、緑の解像度が見かけ上の解像度を向上させるためです。
 放送用カラーテレビカメラなどでは、高画質・高感度の要求性能を満たすため、3板方式を採用することがあります。これは撮像管と同様に、RGB各色それぞれに1枚のCCDイメージセンサを用意し、分光プリズムにより各色に分けて感光させてRGBそれぞれの色信号を取り出す方式です。3板式には、上図のようなRGB均等方式だけでなく、2枚の緑色用素子を水平に1/2画素ずらすことで見かけ上の水平解像度を向上させる手法を採用することもあります。この場合、青・赤用のCCDは2色共用としており解像度は低下しますが、緑解像度の向上で補償できることを狙っています。さらに、緑CCDを1枚だけにすると2枚CCD方式のカラー撮像も可能です(2板方式)。
 単板式CCD撮像素子の画素配列は、これら以外にもフジのハニカム配列のような独自の方式も開発されています。
[注]上図は、Wikipediaより引用したものである。

カラマネの基礎知識 N0.1161

■ レンダリングインテント(続き)
 CMMは、上述しましたように色変換を行う際に、カラースペースの異なった2つの色空間をどのようにマッチングさせるかを、いくつかの方法から選択できるようになっています。この方法を「レンダリングインテント」或いは「カラーマッチング手法」と呼んでおり、あるカラースペース(色空間)では表現できない色が存在する場合、どのような処理を行うかといった問題は、このレンダリングインテントに依存するといえます。カラーマッチング手法でレンダリングインテントがありますが、これはある色空間から異なった色空間へマッピングする際の変換方式を指しています。つまり、CIEにおいて規定されている4つの手法のことをいいます。その4つの手法とは、上述の通り「知覚的」、「彩度」、「相対的色域を維持」及び「絶対的色域を維持」であり、これらの基本概念は、図示した通りです。
以下、それらについて個別に詳しく説明します。
 色を小さなカラースペースにマップする際、2つの方法によって実現できます。1つは“クリッピング”といって、ガモット外の色をそれに近いガモット内の色にマップする*1方法です。もう1つは、“圧縮”というもので、これは入力された色の全範囲(ガモット内の色とガモット外の色の両方)を出力範囲内の異なった色にマップし直す方法です。
*1:マップするとは、マッピング(mapping)のことを指しますが、通常これは対応づけること及び割り付ける・割り当てることをいいます。
<知覚的:Perceptual> 
これは、全体を圧縮するもので、どちらかと言えばカラーの明るさに重点をおいて近似的にマッピングしようとする手法で、彩度の一致を犠牲にしても明度を優先させるものです。狭いカラースペースにガモットマッピングした際、色はある方向に向かって全体的に圧縮されます。全ての色が変化し、明度、彩度が僅かに下がるので、「相対的な色域を維持」と比べるとちょっと沈んだ印象を与えます。しかし、空間上の色同士の関係が保たれるので階調がきれいに再現され、自然な感じにマッピングされるので写真等の変換に向いています。
<彩度:Saturation>
 これは、彩度を重視するもので、どちらかと言えばカラーの鮮やかさに重点をおいて近似的にマッピングしようとする手法で、明度の一致を犠牲にしても彩度を優先させるものです。彩度を優先して変換を行う結果、明度の再現に多少の問題が生じます。ニュートラルの部分での影響はありませんが、ハイライト寄りのトーンは明るめに再現されます。また、彩度が強調されますので、ビジネス文書のグラフ等の用途で利用されます。通常の印刷には向かない方式です。
<相対的な色域を維持:Relative Colorimetric>
 これは、輝度を重視するもので、基本は「絶対的な色域を維持」と同じ。色空間の共通部分はなるべく近似するような変換方式だが、白色点の補正が行われるのが相違点です。
「知覚的」と比べた場合、グラデーションの再現と言った点では劣りますが、瞬時的にみた感じはきれいに再現されます。どちらかといえば、写真のようなものに向いています。
<絶対的な色域を維持:Absolute Colorimetric>
 これは、同様に輝度を重視するもので、基本として、変換前と後の色空間に対する共通部分の色がなるべく近似するような方向でマッピングを行います。他のインテントとの違いは白色点の補正が行われないことです。変換前の白色点(色温度、白紙)の色が補正されずに変換されますので、変換後の白色点にも色が乗ってしまいます。例えば、CMYKのデータをガモットの広いプリンタを使って白紙も含めてシミュレーションしたい場合などに有効です。
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