アンディマンのカルチャークリエート(奏造成)

このブログは、新しい世代の若者を主な対象として掲載します。 特に理科系に強くなれることを目標に、できるだけわかりやすく説明します。 掲載する内容は、画像表現、宇宙論、デザイン、脳科学、工学全般などについてです。 読者の皆さんとの双方向のコミュニケーションをとりたいと考えておりますので、どんどん参加して、忌憚のないご意見を頂けると幸甚です。

November 2007

カラマネの基礎知識 No.713

cfa35ac7.jpg■ 標準イルミナント
 標準イルミナント(Standard Illuminant)は、CIEによって分光分布が規定されたイルミナントのことをいいます。現実的な光源として実現されるかどうかは問いません。後でも出てきますが、この標準イルミナントの中には人工的に作れないものがあります。
 「イルミナント」とは「光源(光のこと)」と考えても特に問題ありません。かつては「標準イルミナント」は「標準光源」と呼ばれていたこともあります。 
 JISではA、D65を標準イルミナントとして規定されています。
A:標準の光Aは温度が約2856Kの完全放射体が発する光。
C:可視波長域の平均的な昼光。温度が6744Kの光を出すようにした光源。
D65:紫外域を含む平均的な昼光。相関色温度が6504Kの平均的な昼光

 図は、標準イルミナントA、D65と補助標準イルミナントC(後述)の分光エネルギ分布で、CとD65は似ていますが、D65の方が紫外線領域のエネルギが高いのと凹凸が激しいという点で違います。どうして「光」が「イルミナント」になったかといいますと、この標準イルミナントの中にはD65の様に可視光以外の赤外・紫外の領域を含んでいるものもあるからです。「光」の定義の一つに「目に見える放射」というのがあります(これ以外に紫外線や赤外線まで含んでも構わないという定義もあります)。 紫外線や赤外線は当然見えないのでそれを含んでいるものを標準の「光」としてしまうと矛盾してしまうからです。

カラマネの基礎知識 No.701

4710d672.jpg■ 各種光源の種類と特徴
 代表的なランプについてその特徴と分光特性を示します。
 ここに示した主な光源は、照明や撮影のときに最も多く使用されているもので、通常、市販されているランプ(光源)ですが、それぞれ分光分布が違う特性を持っています。
ランプの形状や構造はいろいろなものが作られており、また色温度もそれぞれのランプでその特性が異なっています。
 人物撮影や商品撮影で使用する場合は、ランプの持つ性質をうまく利用して、目標色となる色を創出することができます。また、室内照明やディスプレイ照明のように特殊効果により心理的な影響を与える工夫もなされています。
 更に、トンネルなどで使用されるオレンジ系のランプは、瞬間的に違和感がありますがランプの寿命が他のランプよりも長いことを利用した照明であるといえます(用途に特化)。
 また、蛍光灯は三波長の強い光がRGBの光として利用でき、これによって白色光(光の加色混合で白を創出)を作り出しています。演色性の良いランプでも安価であるため、多くの場所で使用されています。

カラマネの基礎知識 No.693

a5157f80.jpg■ 色温度の変化と色の変化
 人間の眼やカラーフィルムにとって、どのくらい光源の色温度が変わると光色が違って感じられるかということはきわめて重要ですが、その許容範囲(ラチチュード) は、通常の人間の眼で光源によって違い100〜300Kくらいが限界であり、照明光源の色温度の変化がラチチュードの限界以内であれば、実用的には問題ないということです。そこで、これを昼光用(デーライトタイプ)の場合にあてはめて色温度のラチチュードを求めてみますと、5500Kのランプの場合は5208Kから5814K、また3200Kランプの場合は3096Kから3303Kとなり、撮影光源の色温度がこの範囲内にあれば、実用上のラチチュードに入ると考えて問題ありません。以上のデータを見ても判るように、色温度の高い蛍光灯はかなり広いラチチュード(5500Kでは±約300K)を持ちますが、色温度 の低い白熱電球などはきわめて狭い(3200Kでは±約100Kしかありません)ので、色温度を調節するのに、色温度が低い状態ほど厳密に管理する必要があるということが判ります。また、正しい色を創出させるためには、適正な色温度を持った光源を選定する必要があります。
・3500K:白熱灯の下で表示される際の色温度。この環境では、黄色ないし薄緑がかって見えます。
・4100K:白色蛍光灯の色温度。これはCIE標準光源のF2又はF6の光源を示します。
・5500K:日光を含む昼間の明かりの色温度で、標準光源D50とD65の間にあります。
     CIEではD55を標準として定義するのに用いられる光源を、日光又は天空光と呼んでいます。
・6500K:この白色点は、CIEの標準光源D65に近い色温度です。
・7500K:この白色点は、CIEの標準光源D75に近い色温度です。
・9300K:これは、Apple製パソコン用モニタの白色点になります。

カラマネの基礎知識 No.681

494adeab.jpg■ 色温度
 一般に色温度とは発光物体が放す(これを放射といいます)色をいいます。太陽光や星明り、照明光源などは様々な色を持っています。また、パソコンの世界では、主にディスプレイの色味を表すために使われています。更に、デジタルカメラではホワイトバランスの調整機能に関連して出てくることもあります。
 色の点からみますと、白といっても、赤っぽい白、黄色っぽい白、青っぽい白など、いろいろあります。普段は、あまり意識しないでいますので、目が慣れて変化に気づかないケースが多くあります。しかし実際には光源の違った光で比較してみますと、その差に明確な違いがあることが判ります。
 前述しましたように、白が赤っぽいか青っぽいかを、色温度(いろおんど)で表しています。単位はK(ケルビン)を使っています。晴れた日の外の光が、約5,500Kとされており、これより数字が小さい(色温度が低い)と赤っぽくなり、数字が大きい(色温度が高い)と青っぽくなります。
 色温度は、肌で感じる温度とはまったく別のものです。つまり、暖かい感じがする赤っぽい光は色温度が低くて、冷たい感じがする青みを帯びた色が色温度の高い状態です。
 高級なCRTディスプレイは、複数の色温度から好みの設定を選べることが多いので、自分で細かく設定できる機種もあります。また、最近のデジタルカメラも、白の具合(ホワイトバランス)を色温度で指定できるようになりました。

カラマネの基礎知識 No.673

8c9d769c.jpg■ 色の概念
 太陽光(白色光、標準光源など)をプリズムに通しますと、虹のような色の帯ができることを知っている人は非常に多くいるのではないでしょうか。この色の帯を「スペクトル」と呼び、光をスペクトル(波長成分)に分けることを「分光」といいます。このように、「分光スペクトル」は色の帯を波長成分に分けた状態のことをいいます。
 スペクトルが人間の目で見えるということは、この特定の波長が、人間の網膜に刺激を与えて色として感じさせているのです。スペクトルは「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の順に並んでいますが、これはそれぞれの波長の長さが違うために生じた現象で、光の中で最も波長の長い部分が赤く見え、短い部分が紫に見えます。この人間の目で見える光の領域を「可視光線」と呼んでいます。
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