アンディマンのカルチャークリエート(奏造成)

このブログは、新しい世代の若者を主な対象として掲載します。 特に理科系に強くなれることを目標に、できるだけわかりやすく説明します。 掲載する内容は、画像表現、宇宙論、デザイン、脳科学、工学全般などについてです。 読者の皆さんとの双方向のコミュニケーションをとりたいと考えておりますので、どんどん参加して、忌憚のないご意見を頂けると幸甚です。

October 2006

カラマネの基礎知識 No.132

2b1fb8a2.jpg■ ColorSync とICM (Image Color Matching)
 カラーマネジメントシステムにおいて、色変換を担当しているソフトウェアをCMM (Color Management Module or Color Matching Method の略) といいます。通常、ColorSyncやICM (Image Color Matching) が色変換を実行しているように理解している人もいますが、それは正しくなく、実はCMM(CMMエンジンともいいます)が実際の色変換を行っているのです。
 図示しましたように、これらColorSyncやICMは確かに色変換を行うのに欠かせない重要な役割を果たしているソフトウェアといえますが、実際に変換作業を行っているのがCMMエンジンというソフトウェアモジュールです。つまり、ColorSyncやICMはカラーマネジメントを行う導入用の扉(入り口)の役割を果たしているのであり、実際に作業を行っているのがこのCMMエンジンなのです。
■CNSを取り込んだCMSへの発展
 従来のCMSは普通にいうカラーマネージメントシステムといえますが、一般にはカラーマッチングシステムと考えている人が多いようです。
 色域が違う色空間同士の色変換は、完全にマッチング(完全な色再現性)することは出来ません。 その理由は元々ない色は再現できない色だからです。そこで色域の共通の範囲内ではどうにかして正確な色再現を行おうとし、共通色域以外では、同一性の維持は出来なくとも限りなく近似色に置き換えようとします。そのために、「色彩を飽和させないで変換する行為はまさに色彩のネゴシエーションが必要である」といえるでしょう。 従って、真のCMSとはいわゆるCMS(カラーマッチングシステム)と新しいCNS(カラーネゴシエーションシステム)を合体し、色域の合う部分と、合わないが近い色彩の部分を、うまくミックスさせることがCMSのあるべき姿なのです。
 CMSは色彩の同一性を、CNSは色彩の心理性をそれぞれ重視しているとも言えます。
元々違う色域への変換は同一性の維持に関してはアプリケーションソフトに任せ、むしろ色彩の心理性に重点を置くと理解することが大切です。そういった意味でCMMエンジンの持つ重要性を理解すべきで、CMMエンジンは、正確な色変換を行っていると同時に、カラーネゴシエータの役割も果たしていると言えます。

カラマネの基礎知識 No.123

■ ガンマの概念
ガンマ(γ)とは、あるデバイスの入力(Vin)と出力(Vout)の間の関係を記述するのに用いられる数値で、次式で表現されます。
  Vin=Vout^γ   γ:乗数(Voutのγ乗)
もともとこのガンマは、感光体の特性を表すために使用されてきましたが、最近ではモニタの特性を記述するのに加えて、カメラ、スキャナ、プリンタなどにも適用されるようになったことです。典型的なガンマ値としては、デスクトップスキャナでは1.0、一般的なプリンタでは1.8~2.0で、Macintoshのモニタの多くは1.8、Windowsのモニタは2. 2に設定されています。
533f6aa8.jpg
 ガンマを理解するためには、トーンカーブというグラフを描いてみると判りやすいでしょう。トーンカーブはあるデバイスに対する入力と出力の関係を描いたグラフとなっています。全てが理想的に働けば、各デバイスの入出力特性は、グラフで表示するとリニア(直線、γ=1)になります。
 例えば50%グレーで表現したい色はグレー50%で表現されます。つまり、入力値と同じ出力値が得られる場合です。しかし、現実的には理想通りには行かず、例えばモニタの場合には、入力値が”100”の時に出力値が”100”に調整が可能ですが、中間値の制御が入力値と出力値を同等にすることが大変困難になります(曲線近似)。この時、最も大きなズレを生じる中間値を中間調と呼んでいます。これをグラフに描いて見ると、単純な曲線になることが判ります(上図参照)。        
 デバイスによる違いは曲線がどの位湾曲しているかという程度によって、ガンマ値がそれぞれ変化します。また、ガンマの逆特性値を掛け合わせることによって、理想の直線に近づけることを“ガンマ補正”といいます。つまり、デバイスの特性を記述した曲線とガンマ補正の曲線を掛け合わせて理想の直線に近似させることで、システムとしての性能を最適化することが出来ることになります。逆にいえば、システムを最適化するためには、入力から出力に至るトータルのガンマ(デバイスは幾つあっても良く、それらを掛け算したトータル値)を1にすることです。つまり、
  γ1・γ2・γ3・・・=1
となるように設定(組合せ)又は補正することによってシステム全体の最適化が図れることになります。
6275a1fd.jpg
 図示した絵は、参考として同一画像にガンマを変化させてみたものです。どの状態でのガンマが良いかは、一目瞭然でわかるでしょう。
図は、ガンマ値の違いによる見映えの違いを示します。左からガンマ:小、ガンマ:中、ガンマ:大の順。

カラマネの基礎知識 No.113

66cdf699.jpg■階調表現と解像度
 ラスタ画像には、階調があります。この階調とは明暗変化の度合いを意味します。例えば、白(最明)と黒(最 暗)の2つだけの明暗変化の度合いが記述されているラスタ画像のことを「二階調画像」といいます。このように、いくつの明暗変化を記述しているかを「階調数」と呼びます。階調数が多ければ多いほど明暗変化を滑らかに表現することが出来ます。現在最も主流の階調数は256階調ですが、これからは高画質対応するために1024階調や4096階調、あるいは16384階調も使われる時代となりつつあります。なお、印刷物やインクジェットプリンタなどで、美しい自然な明暗変化を再生するには、64〜128階調以上の階調数を持った画像が必要です。

■解像度の表し方
解像度を表す方法はいろいろありますので、ここで整理します。
・dpi(dot per inch)
画面表示などで1インチの長さに含まれるドット(点)の個数をいい、数値が大きい程細かい表現ができます。
印刷でも使われており、400dpi以上でプリントすると、活字方式と同程度に、きめが細かく見えます。
・lpi(line per inch)
 解像度を計る単位で、1インチに入る線数(スクリー ン線数)をいいます。数値が大きい程細かい表現ができきます。DTPで は、普通175線という細かい網点が使われています。像をハーフトーンセルにする時175線350ppiが標準 となっています。
・ppi(pixcel per inch)
 画面を構成する最小のドット(ラスタ、画素またはピクセル)で、1インチに含まれるラスタ数をいい、数値が大きい程細かい表現ができます。

カラマネの基礎知識 No.103

ce87c832.jpg■チャンネルとピクセル
 ラスタ画像を理解するためには「チャンネル」と「ピクセル」のことを知っておくことが大切です。チャンネルとは、ある1つの光や色材の要素色と濃さの強弱を記録した画像を意味します。RGB形式のラスタ画像では3つ(図示)、CMYK形式のラスタ画像では4つのチャンネルによって成り立っています。1つのチャンネルは、ちょうど黒白写真のような状態で光や色材の量を、濃度変化として記録しています。
 一方、ピクセルとは、格子状に仕切られたラスタ画像のひとつひとつの格子を意味すします。ピクセルは「画素、ラスタ、ビット」とも呼ばれ、ラスタ画像の最小単位になっています。
1つのピクセルは、ちょうど色のついた井戸(これを、ポテンシャルの井戸といいます)に例えられ、井戸水の水位(0〜255の階調)によって色の濃淡を示しています。
「注」
 ラスタ画像とは、ビットマップ(粒々のこと)で構成されている画像です。これに対してベクタ画像といって、線画のように関数で表されるものもあります。
 チャンネル は、コンピュータが画像を扱う場合、色情報として、各点についてR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色のデータ領域(チャンネル)をもち、その組み合わせで色を表現します(CMYKモードの場合は4色)。 
これとは別に、アルファチャンネルというものがあります。これは、コンピュータが扱うデジタル画像データにおいて、各点に設定された透過度情報を保存するデータ領域です。
透過度情報はアルファ値と呼ばれ、完全な透明(無色)から、完全な不透明(背景の色をまったく通さない)まで設定することができます。つまり、点の透明度を表現する場合にはチャンネルにアルファチャンネルを加え、4つの情報の組み合わせで一つの点を表現しています。アルファチャンネルは、データ形式やソフトウェアによって、用意されている場合とされていない場合があります。
 ピクセルとは、デジタル画像を構成する単位で、色のついた「点」をいいます。デジタル画像は正方形(まれに長方形)のピクセルを規則正しく縦横に並べることで一枚の画像を表現しています。ソフトウェアによっては、色だけでなく奥行きや透明度などの様々な情報が与える場合もあります。ピクセルの概念を3次元に拡張したものはボクセル、テクスチャ画像でのピクセルはテクセルと呼ばれます。
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