アンディマンのカルチャークリエート(奏造成)

このブログは、新しい世代の若者を主な対象として掲載します。 特に理科系に強くなれることを目標に、できるだけわかりやすく説明します。 掲載する内容は、画像表現、宇宙論、デザイン、脳科学、工学全般などについてです。 読者の皆さんとの双方向のコミュニケーションをとりたいと考えておりますので、どんどん参加して、忌憚のないご意見を頂けると幸甚です。

February 2006

光の科学(13)3

色彩計による測色技術「色差」
「色」を使う現場でいちばん問題になるのは、微妙な色の違い(色差)です。色彩計があれば、色と色との微妙な違いも、数値で表わすことができます。では、2つのりんごの色差をL*a*b*表色系とL*C*h表色系で見てみましょう。
はじめに、L*a*b*表色系でりんご (L*=43.31 a*=47.63 b*=14.12)の色を基準にして、別のりんご (L*=47.34 a*=44.58 b*=15.16)との色差を測定するとりんごを測定した数値の「A」色差の表示になりました。図13で見てみると、その違いがわかります。また、図14(参考)は色差についての概念を簡単に説明したものです。
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L*a*b*表色系の場合、ΔE*ab(デルタ・イースター・エー・ビー)※の数値で色差を表わします。二つの色の、方向の違いはわかりませんが、色差を一つの数値で表わすことができます。 の場合、ΔE*ab=5.16 ΔL*=4.03 Δa*=−3.05 Δb*=1.04です。これを計算式で表わすと、ΔE*ab=〔(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2〕1/2となります。一方、L*C*h表色系で測定した場合の色差は「B」のようになりました。明度差ΔL*は、L*a*b*表色系と同じですが、彩度差ΔC*=−2.59、色相差ΔH*=1.92で、図13から、彩度がマイナスになり、色相はb*方向へ変化しています。また、図15から、「ロ」 は「イ」 に比べて「多少うすい色」ということがわかります。
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 色差の大まかな目安は、以下の通りに表現出来ます。
 ・ΔE=1.0以下:(標準的な)人間の眼では、見分けることが出来ない色差 (A)
・ΔE=1.6〜3.2:2つの色を重ね合わせないと色差が判らない(同じ色と判断) (B)
・ΔE=3.3〜6.5:感覚的な印象としては同じ色と判断される色差 (C)
・ΔE=6.5〜13.0::色差が認識されるものの、同じ系統の色として判別される (D)
・ΔE=13.0〜25.0:別系統の色と認識される色差 (E)

光の科学(12)2

色立体空間
 ここでは、色空間に関する概念を理解していただくためにL*a*b*表色系を例示しましたが、その他にも、別の表色系があります。このL*a*b*は最も一般的に用いられているものであり、色空間を理解するのにとても重要なものです。
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光の科学(12)
図は、L*a*b*表色系の色空間立体イメージを示します。
色立体(色空間)にはL*a*b*とかLabといった表現の三次元の座標軸が使われます。ここで、Lは明度(lightness)を表し、L=0が最も暗く(黒色)、L=100が最も明るい状態(白色)を表現します。*a*b*(またはab)に関しては、tanθ(b*/a*)(またはがtanθ(b/a))は色相(hue)と呼ばれ、それぞれ+と−の領域を持っております。丁度、原点0に垂直方向にL軸が立っており、あるLの値で縦軸と横軸にaとbが直交している状態になっています。
aが+ならば赤、−ならば補色の緑、bが+ならば黄色、そして−ならば補色の青になります。色々なa*b*あるいはabの値の組み合わせで色の中間的な表現がなされます。

光の科学(11)2

色の数値化〜表色系で見る〜  
カラーマネジメントを行う上で大切なことは、色の情報を数値化する必要があります。
 以下、どのように数値化すべきかについて説明します。
1)L*a*b*表色系
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情報源:コニカミノルタ「色を読む話」より転載

光の科学(10)2

色の数値化
 誰もがもっと簡単に、もっと確実に色を伝え合うために、色彩の経史の中では、さまざまな人々が独自の方法で複雑な計算式を使いながら、色を定量化して表わすことに着目しています。つまり、長さや重さと同じように色を数値で表わす方法を考案したのです。例えば、1905年米国人の画家アルパート.H.マンセルは、「色相」、「明度」、「彩度」でそれぞれ分類した数多くの色紙を作り、これを目で見比べて分類しながら色を表現する方法を考案しました。その後、いろいろと検討が加えられ、現在では修正マンセル表色系(一般にはマンセル表色系)として色相(H)、明度(V)、彩度(C)で分類した色票(マンセル色票)を使って、色を記号で読み取ることができます。また、色や光に関してのさまざまな国際的な取り決めを行う機関として、国際照明委員会が組織され、この国際照明委員会(Commission International de l'Eclairage、略称:CIE)では、色を数値で表わす方法として、1931年にXYZ(Yxy)表色系が、1976年にはL*a*b*表色系が制定されました。その後、いろいろと改良が加えられ、現在ではこの各種表色系※が色彩コミュニケーションのルールとして世界共通で使用されています。
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L*a*b*(エルスター・エースター・ビースターと呼びます)表色系は、物体の色を表わすのに、現在あらゆる分野で最もポピュラーに使用されている表色系です。1976年に国際照明委員会(CIE)で規格化され、日本でもJIS(JISZ8729)において採用されています。L*a*b*表色系では、明度をL*、色相と彩度をホす色度をa*、b*で表わします。図は、L*a*b*表色系色度図です。図から容易に理解できると考えますが、a*、b*は、色の方向を示しており、a*は赤方向、-a*は緑方向、そしてb*は黄方向、-b*は青方向を示しています。数値が大きくなるに従って色あざやかになり、中心になるに従ってくすんだ色になります。また、図(実際は球体)のように輪切りにした円盤状の色度図をそれら1枚1枚ずつ、垂直方向である明度軸(L*)に順次積み重ねていきますと、L*a*b*表色系の色空間を立体的なイメージで表現することができます。図はL*a*b*色立体を水平方向(緑方向−赤方向)に切った断面図に当たります。
資料:コニカミノルタ「色を読む話」より
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